インターネット上には型紙無料を謳うダウンロードサイトが無数に存在し、多くの保育者が利用しています。しかし、ネット上のテンプレートをそのまま導入することには、現場目線で見過ごせない構造的弊害が存在します。
SNSや保育士コミュニティの調査では、現場から切実な本音が漏れ聞こえてきます。「ネットで見つけた可愛いかき氷の型紙に合わせて色画用紙を20人分夜遅くまで切り抜いたが、結局子どもたちは『大人が用意した枠線の内側』を塗るだけの作業になってしまった」「型紙通りに切らせようとして、ハサミが苦手な子が製作嫌いになってしまった」という声は後を絶ちません。
保育教育学の観点からも、大人があらかじめ規定した「正解の形」に子どもを当てはめる「プロダクト重視(完成品至上主義)」の製作は、主体的な創造力を削ぐリスクが指摘されています。かつての昭和・平成期には、全員が均一な作品を並べる統率的な展示が好まれた時代もありました。しかし現代の幼児教育では、「プロセス重視(試行錯誤の過程)」へと大きく舵が切られています。大人が夜な夜なハサミを握って型紙を量産する労力は、子どもとの対話や安全管理に振り向けられるべきです。