「破廉恥」の起源は古く、古代中国の春秋戦国時代に書かれた思想書『管子』にまで遡ります。『管子』牧民編には、国家を支える4つの綱(礼・義・廉・恥)として「四維(しい)」が説かれており、その中でも恥を知る心は社会秩序の根幹と位置づけられていました。
日本においては、明治以降の近代法整備の過程で重要な専門用語として用いられるようになります。かつての刑法や旧陸海軍の軍法会議法などにおいて、道義的に強い非難を受ける犯罪(窃盗、強盗、不同意性交、詐欺、横領など)を指して「破廉恥罪」という法律概念が用いられました。
現在では刑法上の正式な罪名としては使われませんが、公務員法関連の議論や法学の講義、法規の解説などでは、品位を著しく失墜させる非行類型を表す語として今なお参照されています。