結論から言えば、「日常的に購入したスカートの繊維から未知の寄生虫が自然発生し、健康な人間の皮膚を食い破って寄生する」という話は完全なデマ・誇張された都市伝説です。しかし、この噂が完全にゼロから作られたフィクションではなく、信憑性を持って語り継がれてしまう背景には、実在するいくつかの医学的症例が存在します。
代表的な事例が、熱帯アフリカや中南米に生息する「ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)」や「ウマバエ(Dermatobia hominis)」による蝿蛆症(ようそしょう・Myiasis)です。これらの地域では、屋外に干した衣服にハエが直接卵を産み付け、それをアイロンがけせずに未乾燥のまま着用することで、孵化した幼虫が毛穴などから皮膚内に侵入するケースが医学的に報告されています。海外渡航歴のある日本人旅行者が帰国後に発症し、皮膚科で摘出されたニュースが断片的に伝わり、「スカートに潜む寄生虫」という怪談のリアリティ補強に使われたと考えられます。
日本国内で流通している既製服や適正に管理されたヴィンテージショップの衣服において、同様の事態が発生する確率は実質的に極めて稀です。ただし、寄生虫ではなく「害虫」や「ダニ」に起因する接触皮膚炎や刺咬被害は現実に存在するため、混同しない正確な理解が求められます。