2024年5月に開かれた引退会見において、清水選手は「競技者としての自分に区切りをつけ、次のステージへ進む決意が固まった」と晴れやかな表情で語りました。全日本選手権7連覇、世界選手権2連覇という金字塔を打ち立て、2021年の東京オリンピック空手女子・型で銀メダルを獲得した彼女が下した決断の裏には、アスリートとしての深い葛藤と矜持が存在していました。
関係者への取材や当時の会見記録によると、引退の決定打となった主な要因は以下の3点に集約されます。
- 完全燃焼の境地:幼少期から積み重ねてきた厳しい稽古のすべてを東京五輪の大舞台にぶつけ、世界の頂点を争い抜いたことで、選手として目指すべき頂を極めたという実感。
- オリンピック実施競技からの除外:2024年パリ五輪での空手種目不採用を受け、4年周期でモチベーションを極限まで高め続ける競技サイクルの変化。
- 次世代育成への強い使命感:自らが現役を退くことで、後輩選手たちが日本代表の座を競い合い、日本空手界全体が活性化してほしいという願い。
「やり残したことはない」と語った言葉通り、怪我による不本意な離脱ではなく、自らの美学を貫き通した上でのポジティブな勇退であったことが伺えます。