連載誌を転々としながら書き継がれた歴史も、作品の持つ異質な存在感を加速させた。『漫画少年』や『COM』、そして後にまとめられた角川書店の文庫版や豪華版など、版を重ねるごとに新たなファンを恐怖のどん底に叩き落としてきた。
作中にちりばめられた裏設定や、編と編が複雑に絡み合うクロニクル構造も異彩を放つ。過去から未来へ、そして未来から過去へと交互に編み進められる構造は、最終的に太陽編へと繋がり、円環を閉じるはずだった。未完の遺作となった現代編の構想も含め、手塚が描こうとした全宇宙の生命の巨大なサイクルの真相を知ったとき、読者は自らの存在の小ささに戦慄するしかない。