漫画家としての枠を超え、ミリオンセラー作家としても名を馳せたさくらももこさん。『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』といった初期エッセイ三部作には、地元・清水でのリアルなエピソードが縦横無尽に綴られています。
静岡県立清水西高等学校から静岡英和女学院短期大学へと進学した青春時代、地元の人々とのクスリと笑える交流、そして地元名物の黒はんぺんやお茶にまつわる思い出など、彼女の卓越した人間観察眼と毒気を含んだユーモアは、この街で出会った個性豊かな人々との関わりの中で磨かれました。
単なるノスタルジーに浸るだけでなく、日常の些細な出来事を唯一無二のエンターテインメントへと昇華させた筆致。その源泉には、いつの時代も変わらず包み込んでくれた故郷・静岡への深い信頼と愛着がありました。