事件が発生したのは、初夏の陽気となった2003年(平成15年)5月20日午後のことでした。京都府八幡市男山地区の小学校に通っていた当時小学6年生の女児は、放課後に一度帰宅したのち、母親に「友達の家に遊びに行く」と言い残して自宅を出発しました。
自宅近くの公園や路上で同級生らと合流し、普段通りの会話を交わしたことが確認されています。警察のタイムライン検証によると、午後4時過ぎに近隣の交差点付近で友人と別れ、別の友人宅へと向かったとみられます。しかし、目的地の友人宅に本人が姿を現すことはありませんでした。
友人と別れてから足取りが途絶えるまでの間隔は、移動距離に換算してもわずか10分から15分程度です。人通りが完全に途切れることのない整備された住宅街において、争った形跡や悲鳴、落とし物などの痕跡は一切残されていませんでした。自転車を使わず徒歩での移動だったにもかかわらず、まるでその場から煙のように消え去ってしまった点が、この失踪事件の最大の特異点として捜査関係者を悩ませ続けています。