大嶋氏のキャリアを語る上で欠かせないのが、アマチュア時代に残した規格外の怪物記録です。群馬県前橋市に生まれた彼は、中学時代まで軟式野球を経験したものの、愛媛県のソフトボール名門・新田高校へ進学。そこからソフトボールの捕手兼強打者としての才能を開花させます。国体優勝やインターハイ準優勝を牽引し、ソフトボール男子U-19日本代表にも選出されました。
その後、早稲田大学スポーツ科学部に進学し男子ソフトボール部に入部すると、その怪童ぶりは伝説の域に達します。当時の公式戦でマークした記録は驚くべきものでした。
- 公式戦13打席連続本塁打(非公式戦を含め異次元の長打率を記録)
- 大学通算84本塁打(ソフトボール特有の体感速度160km/h超の体勢から量産)
- ソフトボール日本代表として世界選手権に出場
この異次元の打棒に目をつけたのが、北海道日本ハムファイターズのスカウト陣でした。当時GMを務めていた山田正雄氏やスカウト統括の大渕隆氏らは、従来の「野球経験者のドラフト指名」という固定観念を打破。野球の硬球とソフトボールの革ボールの違い、投手プレートから本塁までの距離の違い(ソフトボールは14.02m、野球は18.44m)を熟知した上で、「至近距離から繰り出されるライズボールを捉える動体視力とスイングスピードは、プロの150km/hのストレートにも通用する」と科学的・技術的に判断し、2011年ドラフト7位指名という歴史的決断を下したのです。