イッシュ地方の地図構造をめぐっては、発売当初からファンの間で熱狂的な称賛と鋭い批判が入り混じる激しい議論が交わされてきました。当時のネット掲示板やSNS、そして現代のレトロゲームコミュニティにおける声を検証すると、プレイヤーが抱いたリアルな体験談が浮かび上がってきます。
肯定的な意見として目立つのは、やはりその圧倒的な世界観構築への評価です。 「スカイアローブリッジを初めて渡ったときのカメラワークと壮大なBGMには鳥肌が立った」 「ヒウンシティの雑踏を歩いているだけで、本当に外国の巨大都市に迷い込んだような興奮があった」 といった、演出面の進化を絶賛する手記やコメントが数多く残されています。
その一方で、従来の探索型RPGとしての自由度を重視する層からは、次のような不満も噴出しました。 「マップ全体が綺麗な円形の一本道すぎて、ホウエン地方やシンオウ地方のような『自分でルートを切り開く冒険感』が薄れた」 「クリアするまで東半分(サザナミタウンやカゴメタウン側)へ絶対に行けない通行止めの多さに窮屈さを感じた」
この「洗練された都市構造」と「一本道化による冒険感の減少」という二律背反は、ゲームフリークが第5世代で目指した「ストーリー性の強化とリニアな体験設計」の代償でもありました。だからこそ、続編であるBW2ではルートをジグザグに再構築し、序盤から多様な脇道へ逸れられる構造へと修正が図られたのです。