インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「ご当地キャラは完全にオワコンになった」「最近全く見かけない」という言説が飛び交います。ご当地キャラネットの反応評判を丹念に追うと、一般層の関心と実際の現場で起きているビジネスの実態との間に、極めて大きな認識の乖離があることが浮き彫りになります。
まず、なぜ「オワコン説」が流布したのか。その最大の要因は、2010年から2020年まで開催された「ゆるキャラグランプリ」の終了にあります。グランプリ後半期には、一部自治体による組織票問題や公務員による端末操作疑惑などが取り沙汰され、健全なキャラクター人気投票としての性格が変質。2020年の岩手大会をもって10年の歴史に幕を閉じました。このグランプリ終了と、同時期に起きたテレビの特番減少が「ブームの終焉」というイメージを決定づけたのです。
しかし、ゆるキャラグランプリ現在の姿は、決して消滅したわけではありません。メタバースやWeb3技術、地域通貨と連動した「ゆるバース」として再構築され、組織票を排除した純粋なファン投票や地域貢献度を可視化する試みへとシフトしています。また、現場の取材で見えてきたのは、マス層に向けた薄いアピールをやめ、熱狂的なコアファンを囲い込む「D2C(Direct to Consumer)型キャラクタービジネス」への完全な移行です。
「テレビに出ていない=消えた」というのは、昭和・平成型のメディア観に基づいた錯覚にすぎません。キャラクターのイベントに足を運べば、数万円の限定ぬいぐるみやオリジナル衣装を身にまとった熱心なファンが全国から駆けつけ、宿泊費や飲食費として現地に多額の現金を落としています。マスの流行からディープなコミュニティ経済へ移行したことこそが、ご当地キャラオワコン説の真相です。