1938年(昭和13年)に東京・八王子で生まれた曽我町子さんは、戦後の混乱期の中で自らの表現力を磨き上げ、タレント・コメディアン・声優・女優と幅広いジャンルで頭角を現しました。少女時代から培われた抜群のリズム感とハスキーで芯のある声質は、黎明期のテレビ界において強烈な個性を放ちます。
曽我さんの名を日本中に知らしめた決定打が、1965年に放送を開始したモノクロアニメ版『オバケのQ太郎』の初代・Q太郎役でした。底抜けに明るく、どこか憎めない愛嬌たっぷりの声の演技は視聴者の心を掴み、アニメソング界の歴史に残る主題歌のレコードも大ヒットを記録。この成功によって、彼女は声優界のレジェンドとしての地位を不動のものとしました。
その後も『サイボーグ009』の007役(グレート・ブリテン)や各種吹き替え、人形劇など、変幻自在の声色を活かした名演を多数披露。単なるアニメ声優にとどまらず、表現者としての土台を確固たるものにしていったのです。