インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「メリーさんの怪談には実話のモデルがいる」という言説が見られます。しかし、これは明確な別の実在人物との混同による誤解です。
昭和後期から平成初頭の横浜の街角には、白塗りの化粧に優雅なドレスを身にまとい、自らのスタイルを貫き通した「ハマのメリーさん」と呼ばれる実在の女性(戦後の激動期を生きた街頭の女性)がいました。彼女のミステリアスな佇まいは多くの写真集やドキュメンタリー映画、舞台の題材となり、伝説的な存在として知られています。
しかし、彼女の呼称が同じ「メリーさん」であったことから、ネットのまとめサイトや一部のオカルト動画等で「あの人形怪談の背後には実在のモデルがいた」という文脈ですり替えられ、実話めいた怪談として誤って拡散されてしまった経緯があります。人形が襲ってくる怪談としてのメリーさんには、物理的な殺人や傷害事件としての実話記録は一切存在しません。