東電株の現在地を正しく捉えるには、過去の長期的な株価形成プロセスを振り返る必要があります。東京電力10年チャートと推移を俯瞰すると、2011年の東日本大震災以降、株価は数百円台の極めて狭いレンジに長年閉じ込められてきました。2010年代半ばから後半にかけては400円〜600円台の膠着状態が続き、市場からは半ば「死んだ銘柄」として扱われていた時期もあります。
潮目が変わったのは、2023年から2024年にかけての燃料高騰局面を受けた電気料金の抜本改定と、原子力規制委員会によるテロ対策不備(核物質防護上の不備)に伴う事実上の運転禁止命令が解除されたタイミングでした。一時は数年ぶりに1,000円の大台を突破する場面を見せたものの、大台定着には至らず、800円前後の節目を巡って攻防を繰り返しています。
ここで、直近公表資料に基づく東電ホールディングス最新業績と、すでに原発再稼働を複数進めている関西電力や中部電力との経営指標を比較してみましょう。東電が抱える歪な財務構造が浮き彫りになります。
表から明らかなように、東電の表面的な営業利益が燃料価格の一服や料金引き上げで黒字化していても、それは純粋な企業体力によるものではありません。原発ゼロによる重い燃料調達コストと、将来にわたる廃炉費用という重石が、根本的な企業価値の評価を制約し続けています。