大リーグの試合数はなぜ162試合?Npbとの違いや超過酷日程の真相【2026最新】

大リーグの試合数はなぜ162試合?Npbとの違いや超過酷日程の真相【2026最新】

大リーグの試合数はなぜ162試合?Npbとの違いや超過酷日程の真相【2026最新】とはどのようなものなのか? 背景や要点を整理してお届けします。

日本のファンのなかには、ネット上の書き込みや一部の断片的な情報から「メジャーリーガーは専用チャーター機で快適に移動でき、移動日は試合がないのだからNPBより優雅なのではないか」と誤解している向きも少なくありません。しかし、現場のリアルはそのような甘いものではありません。

最大の見落としは、「移動日は休養日ではない」という事実です。たとえば日曜日のデーゲーム後にニューヨークからサンフランシスコへ移動する場合、飛行時間と時差移動を含めるとホテルへチェックインするのは現地時間の深夜になります。翌日月曜日はカレンダー上は「試合なし(OFF)」となっていても、実質的には移動で丸一日が潰れ、翌火曜日の試合に向けたコンディショニングに追われるため、身体を完全に休める休養日としては全く機能していません。

また、過密日程のシワ寄せはレギュラー選手だけでなく、ベンチ入りメンバー(アクティブロースター)の過酷な入れ替えにも直結しています。連戦で救援陣が登板過多に陥ると、マイナー(AAA)から投手を急きょ昇格させ、数イニング投げさせた翌日には再びマイナーへ降格させる「リリーフ・シャッフル」が日常茶飯事で行われています。深夜に電話一本で呼び出され、民泊や格安便を乗り継いで球場へ駆けつけるマイナー選手の過酷な生態系こそが、162試合という巨大な興行の土台を支えているのです。

【プロの結論】興行至上主義とアスリートファーストの境界線

スポーツ社会学およびプロスポーツビジネスの観点からこの問題を解き明かすと、メジャーリーグの162試合制は「資本主義の論理」と「人体構造の限界」が極限までせめぎ合う巨大な実験場であると言えます。

球団経営者やメディアコングロマリットにとって、試合数は多ければ多いほど巨額のキャッシュフローを生み出す原資となります。しかし、その代償として支払われているのは、選手の肘や肩の腱、そして短命化する選手生命です。かつて昭和のプロ野球で見られた「根性論」とは異なり、現代MLBでは最先端のバイオメカニクスやスリープトラッキング(睡眠管理)が導入されていますが、どれほど科学技術が進歩しようとも、生身の人間の回復スピードには生物学的な限界が存在します。

ファンとしてMLBを観戦する際、私たちは単に華麗なホームランや豪速球に熱狂するだけでなく、選手たちが背負っている「162試合の過酷な旅路」という背景に思いを馳せる必要があります。休養のために主力選手が先発を外れる「ロードマネジメント(負荷管理)」に対して、ネット上では「高いチケット代を払ったのに」と不満の声が上がることもありますが、過酷な全日程を生き抜き、シーズン終盤の勝負どころで最高のパフォーマンスを発揮するためには、戦略的な欠場こそがプロフェッショナルの証なのです。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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