ナマコを語る上で外せないのが、日本三大珍味の一角を占める「海鼠腸(コノワタ)」である。ナマコの腸を丁寧に引き抜き、塩辛に仕立てた至高の酒肴だ。
東京海洋大学名誉博士のさかなクンも、テレビ番組や講演でナマコの驚異的な内臓再生能力について熱弁を振るっている。敵に襲われると自らの内臓を吐き出して目くらましにし、数ヶ月で完全に再生させるという驚嘆の生命力。NHKの自然科学番組『ダーウィンが来た!』の特集でもその生態が克明に記録され、NHKオンデマンド等で今なお自然ファンの関心を集めている。
このコノワタの原料としても、赤と青で風味が異なる。内湾の泥を多く含む青ナマコの内臓は下処理に高度な技術を要する一方、外洋の海藻を食む赤ナマコの腸は雑味が少なく、凝縮された旨みを持つとされる。内臓の奥底にまで、育った海の記憶が染み渡っているのだ。