昨今の受験生を取り巻く環境は大きく激変した。YouTubeを開けば、デッサンの描き方や着彩のタイムラプス動画が無限に手に入る時代だ。誰もが一定のノウハウを画面越しに学べるようになったからこそ、現場での「生きた講評」の価値がかつてないほど高まっている。
画面の中の正解をなぞるだけでは、本番の緊迫した空気のなかで独自の世界観を提示することはできない。毎年秋に開催される藝大祭の熱狂をその目で確かめ、同世代が放つ圧倒的な熱量に打ちのめされた生徒たちは、自らの指先でしか生み出せないリアリズムを求めて再びイーゼルに向かう。情報過多な時代だからこそ、目の前のモチーフと一対一で対峙する生のアトリエ空間が持つ意味は重い。