学生納付特例の追納は損か得か?後悔を防ぐ判断基準と節税の真実

学生納付特例の追納は損か得か?後悔を防ぐ判断基準と節税の真実

学生納付特例の追納は損か得か?後悔を防ぐ判断基準と節税の真実に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

制度上は推奨される追納ですが、ファイナンシャルプランニングの視点から検証すると、誰もが盲目的に納付すべきとは言い切れません。特定の状況下においては、「あえて追納しない」という選択肢が合理的な解となるケースが存在します。

第1の理由は、「資金の流動性リスク」です。年金保険料として一度納めた資金は、どんなに生活が困窮しても65歳を迎えるまで1円も引き出すことができません。手元に生活費の半年分に相当する生活防衛資金がない状態で追納を強行すると、病気や失職などの不測の事態に対応できなくなります。

第2の理由は、「長期積立投資との期待リターン格差」です。新NISAなどを活用して全世界株式や米国株式のインデックスファンドに年利4〜5%で20〜30年間複利運用できた場合、追納して得られる年金受給額の増加分を理論上の運用益が上回る確率が高いという資産運用上の試算があります。「手元資金を年金という流動性のない固定利回りに固定するより、成長市場へ投じたい」と明確な投資規律を持つ人にとっては、追納を見送る理由になり得ます。

第3の盲点は、「60歳以降の任意加入制度や厚生年金の経過的加算」の存在です。大学時代の未納分で満額に満たない場合でも、60歳から65歳までの間に会社員として働き続けて厚生年金に加入していれば、「経過的加算」によって基礎年金の満額相当分を埋めることができます。また、60歳退職後であっても「国民年金の任意加入」を行えば、後から満額に近づけるリカバリー措置が用意されています。「若いうちの貴重な現金を今あえて拘束される必要はない」という戦略的判断も成り立つわけです。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。