上野毛キャンパスを志望校として検討する場合、八王子のオープンキャンパスと同列に考えてはいけません。オープンキャンパス最新情報をリサーチする上で押さえるべき重要ポイントを解説します。
多摩美術大学では、八王子キャンパスと上野毛キャンパスで日程を分散、または連動させたオープンキャンパスを毎年7月中旬〜下旬頃に開催しています。上野毛キャンパスで開催されるプログラムの目玉は、一般的な作品展示にとどまらない「身体表現の実演」「稽古場ワークショップ」「舞台美術工房での公開制作」です。
現地を訪れる受験生・保護者は、以下の3点を必ず自分の目で確かめる必要があります。
- 実習劇場の天井高と照明バトン設備:自身が思い描くスケールの空間演出や大道具の建て込みが物理的に可能か。
- 工房と稽古場の動線距離:デザインした大道具や衣装が、実際の稽古空間へどのように搬入・調整されているか。
- 都心部(世田谷・二子玉川エリア)の住環境と家賃相場:八王子キャンパス周辺(家賃相場3万〜5万円台)と異なり、上野毛・用賀・二子玉川周辺は7万〜10万円台が相場となるため、4年間の生活設計が成り立っているか。
【プロの結論】都市型芸術教育の視点から見る「向いている人・慎重になるべき人」
舞台芸術および劇場美術の教育において、キャンパスが「都心近接の世田谷」にある意味は極めて重いと言えます。芸術社会学の知見に照らし合わせても、舞台芸術は制作して終わりではなく、都市の劇場群や観客との双方向の相互作用によって成立するメディアです。この環境を血肉にできるかどうかが、進路選択の分水嶺となります。
【上野毛キャンパスが絶対に向いている人】
- 演劇、ミュージカル、ダンス、舞台美術、衣装、照明デザインなど、パフォーミングアーツの世界で生きていく覚悟が決まっている人。
- 在学中から都内の劇場やライブハウス、アトリエに通い詰め、現場のプロと早期にコネクションを構築したい行動派。
- 他学科の刺激よりも、同じ目標に向かって泥臭く稽古や大道具制作を共にする「濃密な少数精鋭の絆」を好む人。
【選ぶと後悔する可能性が高く、慎重になるべき人】
- グラフィックデザイン、イラストレーション、プロダクトなど、平面・立体デザイン全般を広く学んでから専攻を決めたい人(八王子キャンパスを選ぶべきです)。
- 広大な緑に囲まれた総合大学のようなキャンパスライフや、多様な美術専攻の学生とのサークル活動を楽しみたい人。
- 学業と生活コストを極力抑えたい地方出身者(郊外の八王子に比べ、世田谷エリアでの一人暮らしは生活維持コストが跳ね上がります)。