大阪の街において「丸いビル」が持っていた意味は小さくない。1976年の完成当時、四角いビル群が立ち並ぶ梅田の街並みの中で、360度どこから見ても表情を変えない円柱形デザインは革新そのものだった。今回の再構築にあたり、設計陣が最もこだわったのが「円形というアイデンティティの継承と進化」だ。
直線的な建築に比べて有効面積の確保が難しいとされる円形構造だが、最新の構造解析と先進的な空間設計技術がその壁を打ち破った。曲面ガラスを大胆に使用したファサードは、風圧を効率よく受け流す流体力学的メリットを享受しつつ、内部には自然光が一日中差し込む開放的なオフィス・ホテル空間を実現する。かつて屋上を彩った回転式電光掲示板も、最先端のLEDインタラクティブメディアへと姿を変え、街を行き交う人々にリアルタイムの情報を発信し続ける意向だ。