この潮流は、伝統的なエンターテインメント業界に強烈な打撃を与えている。都内の大手映画配給会社で働くマーケティング担当者は、匿名を条件に焦りを口にした。「2時間の映画をじっと座って観られる20代が、あきらかに減っている。倍速再生すら生ぬるいと言われる始末だ」。
ドラマの展開を待つ10分間は、現代の視聴者にとって耐えがたい時間に変わった。ニュース番組も例外ではない。アナウンサーが朗々と原稿を読み上げるあいだに、スマホ世代はすでにSNSでそのニュースの要点と最高の見どころを数秒で消化し終えている。長尺メディアが長年培ってきた「起承転結」という美学は、テンポの爆速化という現実の前に急速に色あせつつある。