舞台の幕が上がると、そこはまるでタイムスリップしたかのような静寂と艶やかさに包まれる。最初に登場するのは、京舞井上流の洗練された舞を披露する舞妓たちだ。季節の花をあしらった簪(かんざし)が揺れるたび、客席からは吐息が漏れる。
公演の魅力は、単なる「ダイジェスト」にとどまらない点にある。流れるようなお点前を見せる茶道、一輪の花に命を吹き込む華道、琴の美しく澄んだ音色。さらには腹の底から笑いを誘う狂言のコミカルな掛け合いや、人形遣いの息遣いまで伝わる文楽まで、日本の美意識の骨格がわずか1時間に凝縮されている。