蜷川幸雄と小栗旬の絆|灰皿伝説から彩の国芸術監督への軌跡

蜷川幸雄と小栗旬の絆|灰皿伝説から彩の国芸術監督への軌跡

蜷川幸雄と小栗旬の絆|灰皿伝説から彩の国芸術監督への軌跡の全貌を詳しく解説してご紹介します。

2016年5月12日、蜷川幸雄氏が80歳で逝去。告別式では、藤原竜也さんや綾野剛さんらとともに、小栗旬さんが弔辞を捧げました。その場で小栗さんが語った言葉は、単なる美辞麗句ではなく、痛切な反省と複雑な愛情が交錯する生々しい人間ドラマそのものでした。

祭壇に向かった小栗さんは、声を詰まらせながら次のように語りかけました。
「悔しいです、蜷川さん。僕はずっと、あなたの愛を裏切り続けてきたような気がします。『お前は俺を裏切るんだろ』って言われて、『そんなことない』って言いながら、僕はどこかであなたから逃げていたのかもしれません」

この告白の背景には、映像作品(映画や連続ドラマ)で多忙を極め、舞台のオファーをすぐに受けられない時期があったことへの葛藤がありました。蜷川氏は常に「早く劇場に戻ってこい」「舞台で勝負しろ」と小栗さんに求め続けていました。小栗さん自身もその期待の重さを理解しながら、映像の世界で結果を出し、劇場の外から客を呼べる役者になろうと奔走していたのです。

「もっと怒られたかった」「もっと一緒に芝居を作りたかった」という絞り出すような弔辞の言葉は、厳格な師匠と、その背中を追いかけながら自立しようともがいた弟子の、偽らざる魂の交歓として列席者およびファンの涙を誘いました。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。