ネット上の掲示板や知恵袋、SNSのユーザー検証において頻出するのが、「落下テストで跳ねて倒れた単3電池を掛け時計に入れたら、そのまま半年以上動き続けた」という体験談です。
この現象は、機器ごとの「消費電力と要求電圧のギャップ」によって生じます。デジタルカメラ、ラジコン、LED強力ライトなどの大電流を必要とする機器では、電圧が1.2Vを下回ると動作しなくなります。しかし、液晶リモコンや掛け時計、テレビの小型リモコンといった低消費電力機器は、0.9V〜1.0V程度まで絞り出しても稼働し続けます。
ここで多くのユーザーが陥りがちな重大なリスクが、「新旧電池の混用」と「アルカリ・マンガンの異種混用」です。
「まだ動くから」と、残量の異なる電池や新品と使用済み電池を1つの機器(例:電池2本直列駆動のリモコンやおもちゃ)に混ぜて使用すると、残量の少ない方の電池が「過放電」状態に陥ります。過放電が進むと電池内部で水素ガスが発生し、安全弁が開いて強アルカリ性の電解液が噴出する「液漏れ事故」を引き起こします。液漏れした水酸化カリウムは機器の端子を腐食・破壊するだけでなく、直接皮膚に触れると化学火傷を負う危険性があります。