両親の看取りを終えた後、吉本家に降りかかった現実が白日の下に晒されたのが、吉本ばなな氏が投稿した有料エッセイ「クラウディクラウドファンディング」でした。1記事500円で公開されたこの手記は瞬く間に拡散され、公開後わずか数日で1万3,000人以上の購入・高評価(いいね)を獲得。売上推定は600万円を超え、全額が姉であるハルノ宵子氏の医療費や生活支援に充てられると明言されました。
手記の内容は、これまでの吉本家のイメージを大きく覆す衝撃的なものでした。母親との長年にわたる確執が赤裸々に綴られ、母を「毒親」と位置づけた上で、実家に残った姉・ハルノ氏が抱え込んだ苦境が詳細に描かれたのです。広大な借地にあった実家は、両親の看取り後に片付けの手が回らなくなり、ネズミが繁殖するいわゆる「ゴミ屋敷」状態へと陥っていたこと、姉自身も大病を患いながら生活困窮の危機に瀕していた実態が妹の口から告白されました。
この告白に対し、ネット上や文壇関係者の間では激しい議論が巻き起こりました。「身内の恥部を全世界に公開するのか」「いくらなんでも姉のプライバシーを侵害しすぎではないか」という批判の声が上がった一方で、「介護負担を長女一人に背負わせた結果のリアルな破綻である」「金銭的な支援だけでなく、社会的な助けを求めるための切実なSOSだった」と共感する読者も多数存在しました。妹が発信力と知名度を行使してまで姉の命を救おうとしたこの行動は、吉本家という特異な家庭の極限状態を世に知らしめる契機となったのです。