アセクシュアルとは?特徴・診断基準と結婚のリアルを徹底検証

アセクシュアルとは?特徴・診断基準と結婚のリアルを徹底検証

アセクシュアルとは?特徴・診断基準と結婚のリアルを徹底検証に関する主要な事実を丁寧にまとめました。詳細な解説をご確認ください。

アセクシュアルの当事者が社会生活で受ける苦痛の多くは、内面そのものよりも「社会からの無理解と押し付け」に起因しています。日本の日常会話には、「恋人がいてこそ一人前」「素敵な人と出会えばいつか変わる」という強烈な恋愛伴侶規範(すべての人間は恋愛をし、結婚し、性関係を持つのが幸福であるという固定観念)が根強く残っているためです。

当事者コミュニティの聞き取り調査や公開座談会では、次のような赤裸々な告白が繰り返されています。

「学生時代から恋バナの輪に入るのが苦痛で仕方がなかった。『好きなタイプは?』と聞かれるたび、場を壊さないよう無難な芸能人の名前を答えて取り繕っていた。自分が嘘をつき続けている感覚がずっと苦しかった」(20代・会社員)

「交際相手に『触れ合いたいと思えない』と正直に打ち明けたところ、『俺に男としての魅力がないということか』と激昂され、罪悪感から無理をして応じた結果、心身を激しく崩してしまった。相手を傷つけたいわけではないのに、性愛が前提の社会では自分の存在そのものが拒絶と受け取られてしまう」(30代・専門職)

悪意のない「まだ本当に好きな人に出会っていないだけだよ」という励ましは、当事者にとっては自己のアイデンティティを根本から否定されるマイクロアグレッション(無意識の差別・偏見)として重くのしかかります。性愛を前提としたコミュニケーションの網の目から抜け出せず、精神的な孤立感を深めていく構造が浮き彫りになっています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。