ネット上の掲示板(5ちゃんねる、知恵袋)やX(旧Twitter)における議論、そして実際のライブ現場でファンが漏らす本音を突き合わせると、メディアが報じる「人気ランキング」とファンの体感温度には明らかなギャップが存在する。
数年前までアイドル現場の主流であった「複数枚のCDを購入して参加する握手会・お話し会」に対して、ファンの間からは疲弊の声が顕著になってきた。SNS上では「推しに会うために生活費を削り、特典券のために同じCDを何十枚も積む生活に限界を感じた」「接触イベント目当てのファンばかりで、ライブ中のパフォーマンスを誰も見ていない現場が辛い」といったリアルな告白が多数散見される。
これに対し、現在急速に動員を伸ばしているFRUITS ZIPPERや=LOVE、あるいはライブアイドル上位勢の現場では、全く異なる空気が流れている。客席には10代から20代前半の女性が溢れ、ファッションやヘアメイクを推しメンバーに似せて来場する「自己表現の場」としてライブ空間が機能しているのだ。現場で取材した女子大学生(21歳)は次のように証言した。
「昔のアイドルファンはおじさんばかりで近寄りがたいイメージがありましたが、今は違います。会場に行くこと自体が自分磨きのモチベーションになるし、メンバーが『今の自分のままでいいんだよ』と肯定してくれる歌詞に救われています。CDを積むことよりも、公式のTikTok動画を友だちと真似して投稿したり、ライブで一緒にペンライトを振る体験そのものにお金を使いたいんです」
一方で、ライブアイドル動員数ランキングで上位に食い込むアンダーグラウンドの雄たち(Appare!、i-COL、高嶺のなでしこ等)の現場では、ロックフェス顔負けのフィジカルな熱狂が支持されている。地上波のコンプライアンスや過剰なブランディングから解放された「生の衝動」を求めるファン層が、週末ごとにZeppや豊洲PITに押し寄せ、独自の経済圏を形成している。