ピンポンパールの死因ツートップである「消化不良(転覆病)」と「感染症」は、日々のメンテナンスと早期治療で劇的に減らすことができます。
給餌において最も避けるべきは「浮上性の人工飼料をそのまま大量に撒くこと」です。水面でパクパクと餌を食べる際に空気を一緒に飲み込んでしまい、消化管にガスが溜まって転覆病を発症しやすくなります。また、乾燥した粒餌は胃の中で水分を吸って膨張し、内臓を圧迫します。
正しい給餌プロトコルは以下の通りです:
- 餌の種類:沈下性(ゆっくり沈むタイプ)の消化が良い金魚用フード、または冷凍赤虫やブラインシュリンプを選択する。
- 前処理:乾燥粒餌を与える場合、あらかじめ飼育水に数分浸してふやかしてから投入する。
- 量と頻度:1日1〜2回、2〜3分で完全に食べ切れる極微量にとどめる。水温が下がった際や様子がおかしい時は躊躇なく1〜2日絶食させる。
もしも「お腹を上にして水面に浮く」「底に沈んで起き上がれない」といった転覆病の初期症状が見られた場合、直ちに給餌をストップし、水温を28℃前後までゆっくり引き上げて消化機能を促進させます。初期段階であれば、数日間の絶食と加温によって自力回復する確率が上がります。
また、導入初期や体調不良時の基本手当となるのが0.5%塩浴です。淡水魚の体内塩分濃度(約0.6%)に近い塩水を作ることで、魚が浸透圧調整に使うエネルギー消費を抑え、自己免疫力を高める治療法です。
具体的な塩浴のやり方は、カルキを抜いた水10リットルに対して粗塩(食卓塩ではなく精製されていない塩)50グラムを完全に溶かして使用します。塩分濃度を急変させないよう、半日ほどかけて徐々に濃度を上げ、エアレーションをしっかり効かせた隔離容器で1週間ほど養生させます。