小野川沿いを中心に広がる小江戸佐原の町並みは、江戸情緒が今なお息づく香取市随一の観光スポットです。川沿いには切妻造りの町家や土蔵造りの商家が整然と立ち並び、柳の木が揺れる水路をサッパ舟で行き交う「町並み舟めぐり」は、水上からの低い視線で往時の風情を体感できる必須のアクティビティとなっています。水路に架かる樋橋(通称・ジャージャー橋)から30分ごとに水が流れ落ちる音景観は、環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選出されています。
この町並みエリアの核となる文化施設が伊能忠敬記念館です。50歳で家督を譲った後に江戸で天文学を学び、55歳から日本全国を歩いて精密な日本地図「大日本沿海輿地全図」を完成させた偉人・伊能忠敬。彼が前半生を過ごした国指定史跡「伊能忠敬旧宅」の向かいに位置する本館には、忠敬が使用した測量器具や精緻な古地図群など、国宝に指定された貴重な資料が展示されており、その不屈の探求心は訪れる現代人に深い感銘を与えます。
少し足を伸ばして利根川下流部に位置する水郷佐原あやめパークでは、初夏(5月下旬〜6月下旬)に約400品種150万本のハナショウブが咲き誇る「あやめ祭り」が開催されます。園内の水路を伝統のサッパ舟で巡りながら観賞する花々は圧巻で、7月〜8月にかけては300品種以上のハスが咲き競うなど、四季折々の水郷植物を五感で楽しめる景勝地となっています。