日本国内で正確な祈りを捧げるためには、各地の主要モスクが発信するローカルデータと地理的方位の正確な理解が欠かせない。本誌が独自に収集した国内主要都市の計算データによると、メッカのカアバ神殿を目指す「キブラ」の方角は、日本国内ではおおむね西微北(約290度〜295度前後)を指す。しかし、北海道から沖縄まで弓なりに広がる日本列島では、同一国内であっても地域間の時間差が極めて大きい。
札幌では夏至の時期、夜明けのファジュルが午前2時台に訪れる一方、那覇では午前4時半を回るまで太陽の気配すら現れない。主要拠点におけるキブラの正確な度数と、季節ごとの日照変動を把握しておくことは、旅先での混乱を未然に防ぐ唯一の手段だ。特に東京、大阪、名古屋、福岡の四大都市圏では、ビル群による電波障害や磁気偏角がスマホのコンパスに狂いを生じさせる事例も報告されており、物理的な指標の確認が推奨される。