「ここに幸あり」の魂である歌手・大津美子(おおつ よしこ)は、1938年(昭和13年)1月生まれ、2026年現在で88歳の米寿を迎えています。福岡県出身で、1955年に「千鳥の啼く夜」でデビュー後、「東京アンナ」「ここに幸あり」「銀座の蝶」「いのちの限り」など数々のヒットを飛ばし、NHK紅白歌合戦に通算7回出場しました。
しかし、その華々しいキャリアの裏には、凄絶な試練がありました。芸能活動の多忙を極める中、大津美子は脳梗塞を発症。一時は歌唱はもちろん、日常生活すら危ぶまれる危機に見舞われました。当時の手記やテレビインタビューで彼女は、「もう一度ファンの前で『ここに幸あり』を歌いたい、その一心だけで過酷なリハビリに耐えた」と生の告白を残しています。
言語聴覚療法や筋力トレーニングを重ね、不屈の闘志でステージへ奇跡の復帰を果たした大津美子。彼女が歌う「ここに幸あり」には、自らの病魔との闘いと克服の歴史が重なっており、聴く者の心を揺さぶる圧倒的な説得力を帯びています。80代後半となった現在も、福祉活動や歌唱披露を継続し、同世代の高齢者やリハビリに励む人々にとって生ける希望のシンボルとなっています。