とりわさの舌触りを左右する最大の関門が、ささみに通る硬い筋の処理です。鶏ささみ筋取り下処理を怠ると、どれほど加熱に成功しても咀嚼時に不快な筋感が残ってしまいます。
簡単な筋取りの手順として、筋の先端をキッチンペーパーでしっかりと掴み、フォークの爪の間に筋を挟んで肉を押し出すようにスライドさせる技法が有効です。包丁を使う場合は、筋を下にしてまな板に置き、刃を寝かせながら肉をしごくように削ぎ落とします。
下処理を終えたら、味の骨格となる調味液を準備します。居酒屋の味を完璧にトレースするとりわさタレ黄金比は以下の通りです。
【秘伝のとりわさタレ 配合比率】
・本醸造濃口醤油:大さじ2
・煮切りみりん(または本みりん):大さじ1
・昆布鰹合わせ出汁(または白だし希釈液):大さじ1
・本わさび(すりおろし、または練り生わさび):小さじ1〜1.5
とりわさわさび醤油だしを作る際のプロの隠し味は、あらかじめアルコール分を飛ばした「煮切りみりん」と上質な和風出汁の併用です。醤油の角が取れてまろやかになり、わさび本来の爽快な辛味と香りが肉全体を上品に包み込みます。