国内の100円ショップ業界が迎えている転換点は深い。これまで低価格帯インテリアの主戦場といえば、北欧発の大手ファストインテリアや無印良品といった中堅チェーンが盤石の地位を誇っていた。しかし、素材調達ルートの開拓と金型技術の飛躍的進化によって、100円ショップ各社がその牙城を脅かしつつある。
ある大手インテリア小売業のバイヤーは匿名を条件にこう漏らした。「数百円から千円台で売っていたベース類と、彼らが110円で並べる器の境界線が完全に消えた。デザインのトレードオフがなくなり、顧客は『これで十分』ではなく『これがいい』と選んでいる。恐ろしい脅威だ」。利幅を削りながらもデザイン投資を惜しまないサプライチェーンの変貌が、市場の力学を根底から書き換えている。