従来の「煮りんご」は鍋でじっくり火にかけるのが定番でしたが、熱の対流によって果肉の角が崩れやすいという弱点がありました。この課題をクリアするのが、耐熱ボウルと電子レンジを駆使した加熱手法です。マイクロ波が果肉内部の水分を素早く均一に振動させるため、果肉の組織を壊さずに短時間でペクチンを軟化させることができます。
基本の黄金比率は極めてシンプルです。りんご1個(約250〜300g)に対し、グラニュー糖大さじ2〜3、レモン汁小さじ1、お好みで白ワイン大さじ1を加えます。くし形に8等分または16等分にカットしたりんごを耐熱容器に入れ、全体に調味料を絡めてふんわりとラップをかけます。600Wの電子レンジで3分加熱した後に一度取り出して上下を返し、さらに2分加熱してそのまま粗熱が取れるまで庫内または常温で置くだけです。
余熱でじっくりと果肉の中心までシロップを浸透させる「蒸らし時間」こそが、短時間でもプロの仕上がりに近づける最大のポイントです。火を使わないため吹きこぼれや焦げ付きのリスクが一切なく、忙しい平日の夜でも手軽に作れる点が大きな魅力となっています。