この異例の事件を立件へと導いたのは、愛知県警察による徹底したデジタルフォレンジックと地道な捜査だった。SNSやメッセージアプリ上の膨大なやり取りを解析し、単なる男女間の金銭贈与ではなく、当初から騙取の意図があったことを立証する作業は極めて緻密を極めた。
名古屋地方裁判所で争われた本件において、検察側は被告自身の直接的な詐欺行為にとどまらず、マニュアル販売を通じた詐欺罪・詐欺幇助罪の適用を追及した。ノウハウを販売して第三者の犯罪を後押しした行為を共犯関係に近い形で厳格に処罰した今回の判決は、情報商材を用いた犯罪に対する法運用の大きな転換点として記録されることになった。