音楽活動で一世を風靡した舘ひろしに、映画界が放っておくはずはなかった。1976年、東映映画『暴力教室』で本格的な銀幕デビューを飾る。主演を務めたのは、当時すでに唯一無二の異彩を放っていた松田優作。舘は優作演じる熱血教師に対峙する不良生徒のリーダー格という大役に抜擢された。
演技経験が浅い新人でありながら、カメラの前に立った瞬間に漂う圧倒的な眼光と存在感はスクリーンを支配した。松田優作との張り詰めた緊迫感あふれる対峙シーンは、日本の映画ファンに強い衝撃を与え、単なるアイドル的ロッカーではなく「役者・舘ひろし」としてのポテンシャルを世に知らしめる契機となった。この成功が、彼を本格的な演技の世界へと押し出す決定打となったのである。