桑田佳祐の作詞センスが極限まで発揮されているのが、日本語と英語の響きを交差させたダブルミーニング(二重の意味合い)です。母音の響かせ方ひとつで、性的なニュアンスを含ませつつ、文字として書き起こした際には全く別の情景や叙情詩として成立する構造はまさに職人芸と呼べます。
例えば、リズミカルに放たれる英語ライクな語句の数々は、耳で聴くと艶かしい男女の身体的接触を想起させますが、テキストを追うと哀愁漂う都会の夜景や心象風景へと反転します。猥雑さと洗練、ユーモアとシリアスを瞬時に行き来させるこの言葉遊びこそ、桑田佳祐が確立した日本語ポップスの最高峰。過激なワードを使いながらも決して下品な印象に堕ちず、極上のエンターテインメントとして昇華されている理由がここにあります。