本人が不在の間も、作品は生き続けていた。SpotifyやApple Musicをはじめとする音楽サブスクリプションサービスの普及により、2000年代のRIP SLYMEのカタログは今、リアルタイム世代だけでなくZ世代を中心とした若いリスナー層によって再発見されている。
Y2Kカルチャーのリバイバルという潮流も手伝い、洗練されたトラックと絶妙なフロウが絡み合う楽曲群は、今聴いても驚くほどモダンだ。とりわけストリーミングの再生回数を押し上げているプレイリストでは、SUの低音パートが「中毒性が高い」とSNSで話題を呼ぶことも珍しくない。時代の消費サイクルを生き延びたクラシックとして、彼の残した声はデジタル空間で今なお確かな熱量を保っている。