卓越した技能者として国から「現代の名工」に選出され、黄綬褒章を受章した坂井氏は、後進の育成にも並々ならぬエネルギーを注いできた。日本フランス料理技術組合の要職を務めるなど、業界全体の底上げと調理技術の体系化に長年尽力している。
彼が弟子たちに伝えるのは、単なる調理テクニックにとどまらない。生産者への敬意、客をもてなす心構え、そして失敗を恐れずに新しい組み合わせへ挑戦する勇気だ。坂井氏の元から巣立った数多くの料理人たちが、現在日本各地や海外で独立し、ミシュランの星を獲得するなど目覚ましい活躍を見せている。