「ヒールは足に悪いから、完全に平らな靴しか履かない」という選択が、かえって足腰の痛みを引き起こすケースがあります。これこそがフットウェアにおける最大の盲点です。
人間の足裏にはアーチ構造(土踏まず)が存在し、歩行時の衝撃を吸収するスプリングの役割を果たしています。完全に底が平らで薄いフラットシューズ(0〜1cm)を履き続けると、歩行時の衝撃が直接踵からアキレス腱、ふくらはぎ、さらには腰へとダイレクトに伝わります。その結果、足底腱膜炎などを誘発するリスクが高まることが医学的にも指摘されています。
生体力学の観点からは、約2〜3cmのわずかな高低差があるシューズが、踵骨を安定させアーチをサポートする上で最も身体負荷が少ないとされています。「疲れにくい靴=0cmヒール」ではなく、「適度な傾斜とクッション性を持つ2〜3cmヒール」こそが、日常歩行における真のセーフティゾーンです。