モチコチキン(Mochiko Chicken)は、その名の通りもち米を製粉した「もち粉」を衣の主原料に用いたハワイのローカルフードです。現地ではプレートランチ(ご飯とマカロニサラダ、メインディッシュをひと皿に盛るスタイル)の定番メインおかずとして、子どもから大人まで絶大な支持を集めています。
その誕生は20世紀初頭、サトウキビプランテーション全盛期のハワイに遡ります。日本から海を渡った日系移民たちが、故郷の家庭料理である「鶏の唐揚げ」を再現しようとした際、現地で手に入りやすかった製菓用のもち粉(米粉)を活用したのが発祥とされています。現地の食文化資料やプランテーション史の記録によると、労働者たちの過酷な肉体労働を支えるため、日本の醤油味にハワイらしい甘み(砂糖)を強めに効かせ、エネルギー源となる濃厚な味付けへと進化していきました。
単なる異国のフライドチキンではなく、日本の伝統食材とポリネシア・アメリカの食文化が交差した「日系フュージョン料理の原点」とも呼べる存在です。