軽度から中等度の後鼻漏であれば、自宅での自力による治し方で劇的な改善を得ることが可能です。その基盤となるのが、上咽頭に蓄積した粘液と病原物質を洗い流す「鼻うがい(鼻洗浄)」です。しかし、誤った方法で行うと中耳炎を引き起こしたり、鼻粘膜を損傷したりする危険があります。
生理食塩水を用いた正しい鼻うがいの手順は以下の通りです。
- 洗浄液の濃度と温度:水道水は絶対に使用せず、0.9%濃度の生理食塩水(水1リットルに対し食塩9グラム)を作成する。温度は体温に近い36〜38℃に調整する。
- 洗浄時の姿勢:前かがみの姿勢をとり、頭を軽く横に傾ける。上を向いて行うと洗浄液が耳管へ侵入するため厳禁。
- 発声しながら注入:「あー」と声を出しながら、片方の鼻孔から洗浄液をゆっくり注入する。口を開けることで軟口蓋が上がり、気管への誤嚥を防ぐことができる。
- 液の排出と後処置:もう片方の鼻孔、または口から洗浄液を自然に吐き出す。洗浄直後に強く鼻をかむことは絶対にしてはならない。耳管に強い圧力がかかり、急性中耳炎を誘発する最大の原因となる。
市販の専用ボトル(ハナクリーンやサイナスリンスなど)を使用すると、適切な水圧を維持しやすいため初心者にも安全です。実施頻度は朝晩の1日2回が最適であり、過度な洗浄は粘膜固有の防御バリアであるリゾチームなどの抗菌物質まで洗い流してしまうため注意してください。