「お酒は付き合い程度でしか飲まない」という人であっても、肝機能異常を指摘される事例が現場の医療機関で頻発しています。その最大の要因として挙げられるのが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD、近年は代謝異常関連のMASLDとも呼称)の存在です。日本国内の成人における有病率は約3割に達すると推計されており、決して一部の愛飲家だけの問題ではありません。
特に盲点となりやすいのが、清涼飲料水や菓子類に多く含まれる「果糖ブドウ糖液糖」や精製炭水化物の過剰摂取です。果糖は小腸で吸収された後、その大半が肝臓へと直行して中性脂肪へと急速に変換されます。アルコールを一切摂取しなくても、エナジードリンクや加糖コーヒー、夜遅くの炭水化物摂取が日常化していると、肝細胞内に中性脂肪が蓄積して脂肪肝を引き起こす構造ができあがってしまいます。
さらに、自律神経の乱れを引き起こす慢性的なストレスや睡眠不足も肝臓への直接的な負荷となります。睡眠時間が6時間を切る生活が続くとインスリン抵抗性が増大し、肝臓での脂質代謝効率が著しく低下することが各種疫学調査で示されています。ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌過多も、肝血流量の低下を招き、修復機能を鈍らせる大きな引き金です。