1970年、RCAレコードからリリースされた『圭子の夢は夜開く』は、オリコンチャートで連続18週1位という金字塔を打ち立てた。彼女のファーストアルバム『新宿の女/演歌の星 藤圭子』もまた、20週連続1位という驚異的な記録を保持し続けている。レコード針が落とされた瞬間に広がるあの独特の陰影は、昭和という時代の空気そのものだった。
絶頂期を迎えていた彼女の私生活もまた、常にメディアの注目の的だった。トップ歌手である前川清との電撃結婚と、わずか1年足らずでの離婚。若すぎた二人の別れは当時の芸能界を大きく揺るがしたが、歌に全てを捧げた彼女の生き様は、どこまでも純粋で不器用だったと言える。