中心街再生のシンボルとして世界的な注目を集めているのが、江戸時代創業の老舗旅館を大胆に蘇生させた「白井屋ホテル再生プロジェクト」だ。長年放置され、取り壊し寸前だった廃墟同然の建物が、気鋭の建築家や世界トップクラスのアーティストの手によって、唯一無二のアートホテルとして生まれ変わった。
館内には国内外の現代アートが散りばめられ、緑あふれる吹き抜けのラウンジには地元住民と旅人が自然と交わる。単に泊まるだけの場所ではない。街のカルチャーを外部へ発信する巨大なメディアとして機能しているのだ。
この劇的な成功は、停滞していた地域の観光・ホテル宿泊業に強烈な刺激を与えた。周辺には個性派のブティックホテルやサウナ施設、クラフトビール醸造所が続々と開業。宿泊客が街を回遊し、夜の飲食店が潤うという極めて健全な経済循環が生まれている。