机上の仕様書通りにいかないのが土木工事の現場です。実際のプライムコート施工において、現場技術者が直面するリアルな課題と対策を検証します。
ディストリビュータとエンジンスプレイヤーの使い分け
広大な幹線道路や高速道路の現場では、大型のアスファルトディストリビュータ(タンクローリー型散布車)を使用します。コンピュータ制御によって走行速度に連動した均一な散布が可能です。一方、市街地の狭小道路や進入路、歩道部などでは、小型のエンジンスプレイヤーや手撒きノズル(ハンドスプレヤー)が用いられます。
実務現場の生の声として「手撒き施工時はノズルの高さや歩行速度のムラによって、設計散布量から局所的に20〜30%乖離してしまうケースがある」という指摘があります。施工前にはテスト散布を行い、ノズルの目詰まりチェックと吐出量のキャリブレーション(校正)を確実に行うことが現場管理の鉄則です。
養生用砂の散布(サンドブラスト)と養生期間中の通行
プライムコート施工後、どうしても工事用車両を通行させなければならないケースや、近隣住民の車両が出入りする生活道路では、タイヤへの乳剤付着(タイヤピックアップ)や路盤の荒れを防ぐため、乳剤散布後に「養生用砂(粗砂など)」を0.002〜0.005 m³/m²程度均一に散布します。ただし、砂を撒きすぎるとかえって上層合材との接着阻害要因になるため、舗設直前には余剰な砂をスイーパーやブロワーで清掃・除去する入念な管理が求められます。