女子やり投で世界の頂点に立ち、常に観客を笑顔で魅了する北口榛花。だが、その明るい表情の裏側には、緻密な技術論と過酷なトレーニングに裏打ちされた冷徹なリアリズムが存在する。助走スピードをいかにやりへとダイレクトに伝えるか、チェコを拠点に培った独自のフォームと体の使い方は、世界のライバルたちを驚愕させ続けている。
勝負を決める最終投てきで見せる劇的なビッグスロー。あれは偶然の産物ではない。自らの感情をコントロールし、スタジアムの風を読み切り、プレッシャーをエネルギーへと変換する卓越した勝負勘があるからこそ成し遂げられる神業だ。「投げる前から結果は見えている」と言わんばかりの集中力が、彼女を世界一の座へと押し上げている。