かすべの唐揚げを極上の仕上がりに導く最大の鍵は、ズバリ「完璧な下処理」と「ゼラチン質のコントロール」にある。淡白な白身の間に幾重にも走る軟骨には、美容にも嬉しい良質なコラーゲンが極めて高密度に凝縮されている。これを加熱によって適度にゼラチン化させ、骨の周囲をとろけさせるのがプロの仕掛けだ。
家庭で再現する際、最も重要なマル秘テクニックは「塩水と日本酒による徹底したドリップ処理」だ。切り身の表面を軽く水洗いした後、1%濃度の立て塩と少量の清酒に15分ほど浸す。これだけで余分な水分と微細な雑味が完全に抜け、身がキュッと引き締まる。その後、ペーパータオルで水分を極限まで拭き取ることが、油ハネを防ぎつつ驚くほどのサクサク感を生み出す第一歩となる。
下味には濃口醤油、すりおろし生姜、ニンニク、そして隠し味に少量の本みりんを加える。ここで長く漬け込みすぎないのが鉄則。10分程度で十分に味が乗る。肉質が非常に繊細なため、素材本来の上品な風味を覆い隠さない絶妙な塩梅を見極めたい。