この独自の表現形式が花開いた母胎こそ、西村博之が開設した「2ちゃんねる」だった。中央集権的な管理を排し、誰もが対等な立場で発言できる匿名空間は、時に過激な論争を生みながらも、既成概念にとらわれない前衛的なサブカルチャーの揺籃となった。
著作権や商業主義のしがらみから解き放たれていたからこそ、表現者たちは恐れを知らずに実験的な試みを重ねることができた。文字コードの制約さえも表現の武器へと転換してしまう草の根のハッカー精神。巨大掲示板がもたらした熱気は、単なる暇つぶしの場を超えて、ひとつの時代精神そのものを形作っていたと言っても過言ではない。