欧米では白人の約15%がRhマイナスであるのに対し、アジア圏、とりわけ日本においては0.5%前後と極端に比率が低い。この偏りが「特殊な体質ではないか」という偏見や都市伝説を生む温床となってきた。「性格が冷徹である」「特定の病気にかかりにくい」といった言説は、心理学や医学の分野で幾度となく検証されてきたが、関連性を示す客観的データは存在しない。
遺伝の仕組みは明確だ。Rh因子の遺伝情報はメンデルの法則に従い、D抗原を作る遺伝子(優性)と作らない遺伝子(劣性)の組み合わせで決まる。両親がともにRhプラスであっても、潜在的にマイナスの遺伝子を保持していれば、劣性遺伝によってRhマイナスの子どもが生まれる確率は十分に存在する。決して突然変異や異常事態ではない。