時計の針を1980年に戻そう。サンミュージックプロダクションから鮮烈なデビューを飾った松田聖子は、セカンドシングル『青い珊瑚礁』の大ヒットとともに時代の頂点へと駆け上がった。ソニー・ミュージックレコーズからリリースされる楽曲の数々はチャートを独占し、木曜夜の『ザ・ベストテン』のブラウン管越しに映る彼女の髪型は、瞬く間に社会現象となった。
昭和アイドル歌謡の黄金期。日本中の女子中高生、さらには成人女性までが美容室へ駆け込み、こぞって同じシルエットを求めた。サイドを大胆にレイヤードし、バックへ向けて流す外巻きのフェザー感。それは単なる髪型を超え、高度経済成長期の日本が放つポジティブなエネルギーの象徴だったのだ。